世界で最も貧しい国の1つであるラオスでは、「開発」という名のもと、急速に人々の生活に変化がもたらされています。あまりの速さのため、自分たちで選択することなく、外部からのモノ、習慣、価値観等が生活に入り込み、ラオスの文化がどんどん失われてゆくという、いわゆる開発の「負」にも直面しています。
そのような中、学習院女子大学ラオス国際協力研修では、ラオス人が自分たちに合った生活の変化を選択する環境・きっかけづくりができないか、と、毎年テーマを設定しています。今年は、外国人を受け入れるのが初めてという村に3泊4日のホームステイをしました。この村にはトイレがありませんでした。そのことから、テーマを「トイレと国際交流」としました。なぜなら、2008年は国際衛生年であり、国際的に「衛生」をテーマに開発事業が進められ、世界全体でトイレの普及が進められるからです。こういう世界の流れの中、今回訪れる村が主体的にトイレを導入する・しないを考えるきっかけとなるように、「トイレ」を題材として交流できることを目標と掲げ、村での活動を計画しました。
トイレがない生活、つまり常にどこか外で、人目を気にしながら排泄する生活を、私たち日本人はあまり想像できません。無意識に「トイレはあるのが当たり前。トイレはあることが良いこと。」と考えます。そういう中、今回の交流で研修に参加した学生が注意した点は、「村の中にトイレがあったほうがいい」という価値観の一方的な押し付けを村の人々にしないということです。反対に「トイレは本当になくてはならないものなのか」ということを考えるところからはじめました。「当たり前のもの」として受け入れ、使用している「トイレ」について考え、訪問した村の人々はなぜトイレを使わない生活をしているのかを考えました。そして、村では、学生と村人がお互いの考え方・意見を共有しながら、「トイレ」について考えてみました。
ラオスから帰国した後は、ラオスで体験、考えたことを活かしながら、東京都内の中学校・高等学校にて開発教育プログラムを、大学の学園祭では、報告会を実施します。それ以降も、NGOのボランティアとして活動したり、開発途上国への募金活動など様々な活動を行っていきます。
この研修を通じ、学生は確実に、国際的な視野を持った人間へと成長します。このことは、学生の将来にとってかけがえのない財産となることでしょう。
学生との交流を通し、村人は近い将来、トイレの必要性の有無を考え、その導入について選択することでしょう。こういったアプローチ・関係・交流も大切な国際協力です。







